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zoom RSS 分子軌道法(その2)

<<   作成日時 : 2014/11/10 21:24   >>

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 分子軌道関数とそれに対応するエネルギーEを実際に求める方法を今回調べます。求める方法の根本的な考え方はつぎの通りです。

 まずエネルギーEの表式をもう一度掲げます。
     (1)
ただし表記を簡単にするために
  
  
という置き換えを行っています。

 前回も説明したように各原子軌道関数の重み係数であるa、bを求めれば分子軌道関数が求まるわけですから、これを求める方法が必要です。物理的にはa、bは分子軌道関数に対応するエネルギーEが最小になるように決まるはずです。エネルギーがもっとも小さいときに系が安定になるからです。この考え方を変分原理と言います。

 この考え方に立つと、Eのa、bによる偏微分が0になるようにaとbを決定すればよいことになります。これが変分法です。
  
  

(1) 式よりEはaあるいはbについての分数関数ですから、その微分は公式
  
によって計算できます。途中の計算は省きますが、結果はつぎのようになります。

整理すると
  
  
ここで右辺にEが入っていますが、これは(1)式と同じ形の式が現れるように変形し、その部分をEを使って表記したことによります。上式が成り立つのは分子=0の場合ですから
  
  

この式の一つの解はa=b=0ですが、これは意味がないので、これ以外の解を探します。係数を行列式形式で書くと
  

 ここでSabは小さいと仮定し無視します。さらにHaaとHbbは水素原子で言えば同じ1s軌道に関するもので等しいと言えます。そこで
  
  
と置きます。上記行列式はつぎのように簡単になります。
  

 この行列式は次式と等価です。
  

これよりEの解はつぎの2つになります。
  
  

 上記係数行列式をもう一度もとの方程式に戻します。
  
  

 上式にE=α+βを代入すると
  
ですから
  
です。したがって
  
となります。ψについても規格化されている必要がありますから
  
  

  前回すでに記しているように個々のψa、ψbについても規格化されているので、

でありまた

と近似してしまえば、
  
となり
  
となります。したがって
  
となります。

  エネルギーは上記のように2つあるのでそれをE1、E2と書くと、それぞれに対応して分子軌道関数ψ1、ψ2が以下のように求められます。
  
に対しての分子軌道関数ψ1
  
となります。また

に対しての分子軌道関数ψ2
  
となります。
画像

 図は以上の2つの分子軌道のエネルギーE1とE2を線図で示したものです。後でもう一度触れますが、E1はE2よりエネルギーが低く、こちらの分子軌道に安定して電子が存在できることを示しています。

長くなりましたので、続きは次回にします。

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