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zoom RSS 発光ダイオード関連の特許分類 −まとめに代えて−

<<   作成日時 : 2015/03/23 21:27   >>

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 前回までで長きに渡った発光ダイオードに関する話は終わりにします。重要な事項は網羅したつもりですが、不十分な点も多々残っているかと思います。そのような点については機会を捉えて追加していきたいと思います。いつものように最後に特許分類の概要をまとめておきます。

 発光ダイオードのFIはH01L33/00以下です。ただしエレクトロルミネッセンス(無機EL、有機EL)はこれには含まれず、H05B33/00〜33/28に分類されています。33が共通しているのが面白いですが、偶然です。現行のFタームは発光ダイオードが5F141と5F142で、ELは3K107です。

 これらの分類はここ数年次々に改訂が行われています。その経緯は分類の全体像を把握するうえで重要と思われますので、概要を説明しておきます。

 発光ダイオードについてはまずFIが改訂され現在の形になりました。その後、かつてのFタームテーマ:5F041が2つに分けられ、5F142がパッケージ関連で、5F141がパッケージ以外となりました。ただし5F142は詳細な分類に抜本改定されたのに対し、5F141は5F041の該当部分をそのまま引き継ぐ形になっています。このため、パッケージ関連は現在の技術に即した分類が使えますが、半導体素子構造についてはFIの分類に対応する分類がFタームにはないといったアンバランスが発生しています。このアンバランスを解消するために5F141もそのうち改訂されるかもしれません。ELの3K107も旧分類の3K007から改訂され、ターム数が増えました。ただし、3K107は1987年以降にのみ対応しており、これより古い特許を検索するには旧3K007を使う必要があります。

以下、分類の概要について説明します。

<発光ダイオードのFI>
大きく分けると全体的な技術、半導体素子構造、パッケージの3つの群になっています。

全体的な技術は、改訂前にもあった分類で
H01L33/00の下にH:完成品の取付、J:駆動回路、K:試験、測定、L:応用装置
があります。

半導体素子構造の部分は大きく変わりかなり詳しい分類になりました。H01L33/00,100〜300の範囲になります。110:量子効果を奏する構造または超格子を有するもの、120:複数の発光領域を有するもの(アレイなどを想定)、130:反射構造、140:応力緩和構造(バッファ層などを想定)、150:電流制御構造(電流ブロック構造とか電流拡散構造など)、160:結晶構造、結晶方位、170:特定の形状(下位の172に粗面、凹凸面があります)、180:発光領域の材料、200:電極、300:コーティングとなっています(下位分類は省略)。

 パッケージについては400以下で、410:波長変換要素、420:封止、430:光の形状を形成する要素(下位の432が反射要素です)、440:電流を流す部品(リードフレームやワイヤボンドなどを想定)、450:放熱、冷却となっています。

<発光ダイオードのFターム;5F141>
 5F141はFIのうち、H:駆動回路とK:試験、測定と100〜300番台が対応します。AAが目的、BBは駆動回路です。駆動回路は素子そのものではなく、パッケージでもないのですが、ここに入っています。CAとCBがLEDの形式で、CAには接合の構造、発光の方向、結晶構造、LED材料、製造方法、電極が含まれます。CBには電流狭窄構造、集積構造、レンズ、反射構造を含むものなどがあります。FFは用途です。よく登場するバッファ層や凹凸構造、コーティング関連などの技術については該当する分類がないのが実情です。

<発光ダイオードのFターム:5F142>
 5F142の方はFIのH:完成品の取り付け、L:応用製品と400番台が対応します。AAは目的、BAはパッケージの形態、種類で、表面実装型か挿入実装型かの分類とチップを何に搭載しているかの分類です。CAからCGまではパッケージ構成の細部についてで、CA:ボンディングの種類、CB:マウントの形態(複数チップのマウントが主体)、CC:リードフレーム、CD:基板、CE:反射部、CF:放熱部、CG:封止部があります。

 DAがこのFタームの特徴にもなっていますが、波長変換部材です。変換部の位置にはDA12:封止部、DA13:窓部材の他にDA14:チップに一体やDA15:パッケージ外という分類があります。「チップに一体」は本来5F141の方に付与されてもよいものですし、「パッケージ外」はもはやパッケージ構造には直接関係がないものですが、いずれもここに分類することになっています。この他、複数種の併用、材料、形状、励起光源の波長などの分類があります。

 DBはその他の部材で、大きくパッケージに含まれるもの(DB01以下)とパッケージ外のもの(DB31以下)とに分けられています。レンズや導光部材、受光素子、センサ類などがあります。パッケージ外には反射部材や放熱部材もあります(パッケージ内の場合はCFとCGに分類)。

 EAはパッケージの取り付けで、完成したパッケージの取り付け部材や方法などの分類です。半導体チップの実装はDB以前(一部例外あり)に分類され、パッケージになったものの実装はEAに分類するという区別がされています。FAは製造方法、GAは用途となっています。HAはスペクトル図、指向性、色度図があれば付与する分類です。

<エレクトロルミネッセンスのFI>
 H05B33/00からH95B33/28までありますが、まず02:細部以下に04;封止装置、06:電極端子、08:回路があります。つぎに10:製造方法、装置があります。12は2次元光源には下位分類があり、カラー化方式などの分類があります。以下に材料の分類があり、14はルミネッセンス材料で、この下位分類のAが有機物になっています。以下に18:不純物、20:バインダーなど、22:補助的な材料です。22の下位に輸送層、注入層の分類があります。24は金属反射層、26は電極、28は半透明電極となっています。

<エレクトロルミネッセンスのFターム、3K107、3K007>
 3K107は発光ダイオードの場合と少し順序が違っていますが、AAで有機か無機かの分類がされ、BBが用途、CCが目的となっています。DDは素子構造、材料で、発光方向、基板、電極、積層方法の分類、さらに材料の分類があります。EEは表示装置に関する分類で、装置構造、光学部材、封止構造等の分類があります。FFは力学的あるいは光学的など各種の特性の分類です。GGは製造方法、HHは回路の分類になっています。

 上述のように1987年より前の特許は3K007を使う必要があります。詳細は略しますが、こちらはABからGAまでかなり細かい分類があります。ただしほとんど有機ELについての分類はなく、無機EL用といってもよいかもしれません。

 以上のように発光ダイオード、ELの分類は近年改訂が進んでいます。このため上に概観したように全体を見渡すと現在関心が持たれている技術の概要がつかめるように思います。

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