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zoom RSS トンネル確率(その1、WKB法)

<<   作成日時 : 2016/02/07 22:13   >>

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 トンネルダイオ^ドを流れる電流は基本的には接合に流れ込む電流とトンネル確率の積で表されます。前回まで電子の流れについての理論は、この接合に流れ込む電流を解析することを目的としたものでした。そこでつぎにトンネル確率を求める必要があります。

 このトンネル確率についてはもっとも簡単な場合、すなわち高さが一定のポテンシャル障壁がある場合について、すでに紹介しました。しかしpn接合の場合は障壁部分に電界がかかっているので、このモデルで扱うのは少し無理があります。

 しかしpn接合をそのままの形では扱いにくいので、やや単純化したモデルを使ってトンネル確率を求めてみます。

 一定の電界Eがかかった場合、ポテンシャルの大きさVは距離xに比例した変化をします。すなわち
  
です。このようなポテンシャルをもった系の1次元シュレディンガー方程式は
    (1)
と書けます。この方程式はポテンシャルが一定の場合のように解析的に解けません。そこで近似的な解法が必要となります。

しばしば使われるのはWKB法と呼ばれる近似解法です。WKBとは3人の人名Wentzel、Kramers。Brillouinの頭文字です。

 一般のシュレーディンガー方程式
    (2)
において
  
  
のような変数変換を行います。すると(2)式は
  (3)
となるので、この方程式の一般解は
  (4)
と置けます。(4)式をSで微分すると
  
  
となります。これを用いると
  
  
   
   
が得られますから、(3)式は
    (5)
の形に変形されます。この(5)式の微分方程式はつぎのような段階を踏む方法で近似解を得ることができます。これがWKB法です。

<ステップ1>
  
とした場合、(5)式は、
    (5−1)
となります。

<ステップ2>
 (5−1)式より
  
ですから、もう一度微分して
  
となります。この場合、(5)式は
    (5−2)
となります。

<ステップ3>
 (5−2)式より
  
ですから、もう一度微分して
  
となりますから、この場合の(5)式は
    (5−3)

<ステップ4>
 ここまでの(5−1)、(5−2)、(5−3)式を見比べると、以上の操作を繰り返すと
    (6)
のような式が得られる規則性があることがわかります。

 (6)式が収束するためには
  
であればよいと考えられます。もとの記号を使って書き直すと
  
となります。この近似が成り立つならば
  
  
という近似ができます。したがって(6)式は
  
となり、これを積分すると
    (7)
となります。したがって(7)式を用いればψは
  
     (8)
が得られます。ただし
  
であり、Aは定数です。

 以上がWKB法と呼ばれる近似方法の手順です。長くなりましたので、今回はこの準備のみとします。

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