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zoom RSS その他の負性抵抗素子(その3:ユニジャンクショントランジスタ)

<<   作成日時 : 2016/08/01 21:26   >>

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 もう一つ、負性抵抗素子を取り上げておきます。ユニジャンクショントランジスタがそれですが、ちょっと意表を衝いたような一風変わった素子です。

 この素子を最初に誰が提案したのかはどうもはっきりしません。特許を探ってみると、米国のゼネラル・エレクトリック社が1953年に出願した特公昭30-2734号辺りが最初のようです。発明者はJ.M.エンジェルとなっています。

 素子の構造は図A(a)のように単純です。一定の長さLをもった半導体(ここではn型とします)の両端に電極を着けます。これをベース電極と呼びます。そして電極間の中間位置(L/n、nは自然数である必要はありません)にp型部分を設け、これをエミッタ接合とします。接合はこの一カ所だけですからユニジャンクション(単一接合)、3端子素子ですからトランジスタというわけです。バイポーラトランジスタとはまったく異なるので、混同しないよう注意が必要です。なお、2つのベース電極をもつため、ダブルベースダイオードという別名もあります。むしろこの方が実態を表しているかもしれません。
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 動作原理はつぎの通りです。2つのベース電極間に電圧Vを印加します。電極はオーミック電極ですから、電極間に一様な電界がかかり、電位分布は(b)のように直線になります。したがってエミッタ接合の位置の電位はV/nとなります。この状態でエミッタ電極に電圧Vをかけます。Vが小さいうちはエミッタ電位が半導体側の電位より低いので、接合は逆バイアス状態で電流はほとんど流れません、

 エミッタ電圧Vを増加していき、これがV/nより高くなると、接合は順バイアスに変わり、エミッタ電流が流れます、またエミッタ−ベース間の接合にかかる電位差は小さくなりますから、図Bのような特性が得られます。このように逆バイアスから順バイアスへの移り変わりにより図Bのような負性抵抗が生じます。電流制御型の負性抵抗特性です。
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 この素子はかつて、もう30年以上前頃になりますが、よく発振回路に用いられました。
図C(a)は上記特許とほぼ同時期のゼネラル・エレクトリック社の特許(特公昭30-2857号)に掲載されている発振回路です。エミッタ電極23にコンデンサ26をつないだだけの簡単な回路です。
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 ベース電極14、16に直流電源17をつなぐとn型半導体11に一定電流が流れ、エミッタ電極23は一定電位に保たれます。スイッチ28を綴じると、コンデンサ26は両端の電位差がエミッタの電位に達するまで充電されます。最初はエミッタ接合が逆バイアス状態で抵抗が高いため、コンデンサ両端の電圧は(b)の波形17のように時間に対してゆっくり直線的に増加します。

 コンデンサの両端電圧が最大に達するとエミッタが順バイアス状態になり、コンデンサに充電されていた電荷は急にエミッタ電極を通じて放電されます。これによりコンデンサ両端電圧は(b)の特性35のように瞬間的に下がります。以後これが繰り返されるので、図Dのようにのこぎり波(鋸歯状波)の発振がなされることになります。

 このように簡単な回路により簡便な発振回路ができるのでよく使われたのですが。その後、シリコントランジスタを用いた発振回路をそのまま集積化したICが登場し、特別に高い周波数などでなければより手軽に繰り返し信号が得られるようになったため、これに取って代わられてしまいました。今ではユニジャンクショントランジスタは国内では生産されていないようです。






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