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zoom RSS 負性抵抗素子(まとめ)

<<   作成日時 : 2016/08/09 21:22   >>

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 前回までで基本的な負性抵抗素子の紹介は一通り終わりましたので、全体的なまとめをしておきます。

 通常の抵抗素子は印加する電圧を増加させるとそれに比例して流れる電流が増加します。これに対して負性抵抗素子では印加される電圧が増加すると電流が減少する特性をもちます。

 ここで注意しなければならないのは負性抵抗素子はその電流I−電圧V特性の一部に
  
である部分を含むに過ぎず、全電圧範囲にわたって上の関係がなりたつわけではなく、また
  
というオームの法則が成り立つわけではないということです。

 このような特性が生じるのは大体2つの特性の移り変わりによっています。pnpn接合素子では逆バイアス領域から接合降伏領域への移り変わり、ガンダイオードでは電気伝導を司る伝導帯の移り変わり、などなどです。したがってそのような移り変わりが起こる電圧や電流の条件を選ばないと、負性抵抗特性は得られません。

 このような素子が何に役立つのかですが、それぞれの素子固有の応用については各素子のところで触れています。ここでは負性抵抗素子全体に共通する応用について触れておきます。実はトンネルダイオードlのところで先走って説明をしてしまいましたので、詳しくはそちらを読んでいただければよいと思います。

 負性抵抗素子を利用した電子回路は大体、発振回路、増幅回路、スイッチング回路の3種類です。このうち発振回路と増幅回路での負性抵抗素子の役割は正の抵抗の打ち消しです。通常の回路には必ず正の抵抗成分があってこれが信号を減衰させるのですが、負性抵抗はこれを打ち消すことができます。なぜそのようなことが可能かといえば、負性抵抗素子には電源からエネルギーが供給されているので、このエネルギーによって損失するエネルギーが補われているに過ぎません。

 スイッチング回路の方は負性抵抗そのものの応用というより、負性抵抗素子特有の二つの状態(特性)の間での遷移を利用するものです。負性抵抗素子と選定した正の抵抗を組み合わせることにより、電圧または電流の大きい状態と小さい状態を切り換えられるので、スイッチング回路が実現できます。サイリスタの電力応用はまさにこの例です。

 最後にいつもながら特許分類について触れておきます。

 単独で詳細な分類(Fターム)をもつのは5F005「サイリスタ」のみです。GTOやトライアックなどもここに分類されています。FIはH01L29/74以下に分類があります。

 その他の素子はFIのみの分類です。pn接合をもち、整流、増幅、発振、スイッチングの機能をもつ素子はH01L29/00以下に分類されています。トンネルダイオードはH01L29/88、インパットダイオードはH01L29/90@Tです。ユニジャンクショントランジスタは定まった分類がなく、H01L29/74@ZやH01L29/86@Zといった「その他」に分類されているようです、

 ガンダイオードは接合を持たないので上記には入りません。H01L47/00がバルク負性抵抗素子に割り当てられ、H01L47/02がガン効果素子となっています。

 以上で負性抵抗素子については終わりにします。

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