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zoom RSS 量子エネルギーの電界による変化

<<   作成日時 : 2017/04/16 12:44   >>

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 前回まで長々と摂動法の説明をした目的は量子閉じ込めシュタルク効果で量子準位がどのように変化するかを近似的に解析するためでした。今回は実際に計算をしてみます。

 計算は量子井戸に電界がかかったとき、量子準位のエネルギーがどのように変化するかを求めるのが目的です。印加電界をFとすると、1次元のポテンシャルのエネルギーV(x)は
  
と表されるので、ハミルトニアンは印加電界のない場合のH(0)に比べて
  
となります。このとき摂動法による固有エネルギーEnは前回求めたようにつぎのように表されます。
  
ここで
       (1)
      (2)
画像

 簡単のため、障壁の高さが無限大の量子井戸を仮定します。図のように座標(原点)をとり、幅2aの量子井戸を考えます。このような量子井戸内の電子についての波動関数、固有エネルギーは以前に求めてあります。印加電界のない基準となる波動関数と固有エネルギーEn(0)はつぎのようになります。
     (3)
     (4)
     (5)

 n=1の場合について1次の摂動項(1)式に(3)式を代入すると
  
となりますから
     (6)
と変数変換して
  
三角関数の公式

を用い、部分積分を行うと
  
となり、また
  
ですから、結局
     (7)
となり、1次の摂動近似では効果が記述できないことがわかります。

 そこでつぎに2次の摂動項を計算します。同じようにn=1の量子準位について2次の項(2)式を計算するためにはn=1以外の準位の効果をすべて取り入れる必要があります。しかしそれは困難ですから、もっとも大きな影響をもつと考えられるn=2の場合のみを考慮して計算してみます。

 まず(2)式の分子の積分を計算します。
  
(6)式と同じ変数変換をして
  
となります。積分公式
  
を用い、部分積分を行います。
  
 
 
となり、分子の積分は大体−1程度ということになります。したがって分子は
     (8)
となります。

 一方、分母はn=1、2のエネルギーですから(5)式を用いて
     (9)
となります。したがって固有エネルギーの2次の摂動項E1(2)は(8)/(9)を計算すれば求められ
    (10)
となります。

 (10)式は量子井戸の障壁の高さが無限大、量子準位は1と2のみ考えるなど極めて簡略化した計算から求められたものですから、これを一般化して考えるのは危険です。しかし大雑把に言って、量子閉じ込めシュタルク効果の電界によるエネルギー変化は印加電界の2乗に比例するという結果です。また量子井戸の幅の4乗に比例し、電子の有効質量に比例するということも示されています。

 量子閉じ込めシュタルク効果についてはさらに厳密な解析も行われていますが、ここでは以上に留めます。

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