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zoom RSS フランツ−ケルディッシュ効果

<<   作成日時 : 2017/04/23 19:50   >>

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 電界によって光の吸収端が変化する効果として量子閉じ込めシュタルク効果より前から知られていたフランツ−ケルディッシュ効果を取り上げます。

 この効果は1958年にドイツの物理学者フランツ(W.Franz)とロシア(当時はソビエト連邦)の物理学者ケルディッシュ(L.V.Keldysh)が互いに独立に見い出しました。量子閉じ込めシュタルク効果が知られるようになってからは少し影が薄くなってしまいましたが、ここではいろいろな半導体の効果を紹介しておきたいので、取り上げることにします。

 この効果は量子効果の一種ではありますが、量子井戸などは使わない均一な半導体層で起こる現象です。半導体の光吸収スペクトルが電界印加によって変化する現象をここでは数式によらず定性的にのみ説明することにします。

 図Aは一様な半導体層のバンド図ですが、電界Fがかかると図のように変化します(図のように横軸を距離xにとると、伝導帯、価電子帯は傾きqFxで傾斜します)。F=0の場合、エネルギーバンドギャップEGより大きなエネルギーをもつ光が照射されると、その光は吸収され、例えば価電子帯A点の電子は伝導帯のB点に励起されます。
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 電界がかかった場合にはどんなことが起こるかでしょうか。トンネル現象のところで述べたように価電子帯の電子A点は半導体層の内部(例えばC点)に波動関数が入り込み、電子はバンドギャップ内にも存在する確率を持ちます。このギャップ内の電子が光によって励起されます。

 このとき受け入れ側の伝導帯においてもギャップ内に入り込んだところ(D点)に励起が可能になるのが重要な点で量子現象の特徴です。したがって電界がかかっている場合、光の吸収は図のようなエネルギーEFKで起こります。これは電界がない場合のEに比べて小さくなります。

 このため、光の吸収端は電界がかかると長波長側にずれることになります。ただし量子閉じ込めシュタルク効果のように量子準位が変化するような現象ではないので、吸収スペクトルが平行移動するような変化ではなく、図Bに示すように吸収スペクトルが吸収端付近で低エネルギー側に広がるような変化になる点が異なります。
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 以上がフランツ−ケルディッシュ効果です。電界Fが実際に印加が可能な105〜106V/cm程度の大きさで十分観測が可能と言われています。トンネル効果のところで用いたモデル等を用いれば、定量的にどの程度吸収波長が変化するかを見積もることもできますが、ここでは省略します。

 フランツ−ケルディッシュ効果を利用した光変調素子も特許としてはみることができます。例えば特開平02-39467や特開平03-291617などにはInP系を用いた例が示されています。

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