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zoom RSS 屈折率と吸収係数の関係(クラマース−クロニヒの関係)(その1)

<<   作成日時 : 2017/10/09 20:09   >>

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 ここまで光変調器の話を中断して屈折率について説明してきましたが、これは今回取り上げる屈折率と吸収係数の関係について明らかにするためでした。

 前回、説明したように、複素屈折率の実部が屈折率に相当し、虚部は消衰係数と呼ばれ、吸収係数に相当しています。実はこの実部と虚部、すなわち屈折率と消衰係数は独立に決まるものではなく、一定に関係をもっています。このことは光変調器の原理を考えるうえで大変重要です。そこで今回はこの屈折率と消衰係数の関係を導きます。

 まず、前々回に複素屈折率を求める際に、複素誘電率から入りましたが、またそこまで戻ります。このときコンデンサと抵抗の並列回路で誘電体を表し、これに交流電圧を印加した場合の応答を考えましたが、ここではまずステップ状の電圧をかける場合を考えます。

 この場合、抵抗成分(損失成分)がなければ、コンデンサが瞬時に充電され、それに伴う電流も瞬間的に流れるだけですが、抵抗成分があると充電に遅れが生じ、それに伴ってゆっくり減少する電流が流れます。これを吸収電流と呼んでいます。
画像

 このステップ状の電圧印加に伴うコンデンサの充電電荷の変化は模式的に描けば図Aのようになります。ここでは瞬時に充電される電荷分Q1とゆっくり充電される成分Q2に分けて考えます。それぞれに対応する静電容量をC1、C2とすると
    (1)
     (2)

が成り立ちます。ここでεr∞、εr0はそれぞれ比誘電率、C0は誘電体を真空としたとき(比誘電率=1)のコンデンサの静電容量です。

電荷の時間変化は
  
   
と書くことができ、Qd(t)は吸収電荷と呼ばれます。ここでf(t)は時間tの経過とともに増加する関数で、
  
です。この充電に伴って流れる吸収電流Id
  
です。
  
とおくと
  
となります。なお、g(t)を余効関数ということがあります。また瞬時充電電流I1
  
です。したがって全電流I(t)は
  
となります。
画像

 つぎに印加される電圧が変化する場合を考えます。図B(a)のように任意の時間ti(i=1,2,・・・)ごとに電圧がΔV(ti)だけ階段状に増減するとします。このとき吸収電流は各電圧が単独で印加された場合(同図(b))の重ね合わせで表されます。吸収電流を式で表すと
  
と書けます。この原理はホプキンソンの重ね合わせの理として知られています。長くなりますので、ここで一旦区切ります。

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