屈折率と吸収係数の関係(クラマース-クロニヒの関係)(その2)

 前回のホプキンソンの重ね合わせに用いた階段状の変化が時間間隔、電圧間隔がともに細かくなっていった極限を考えます。これは前回の図B(a)に破線で示したような滑らかな曲線状の変化になると考えられます。そのような場合の式は積分を使って次のように書き直せると考えられます。
  
ここで、t-u=τと置くと
  

 全電流は
  
となります。

 積分による表示ができたところで
  
と置いて、電圧が図B(a)の破線のように正弦波で変化しているとすると
  
   
    

 最初の(1)、(2)式の関係を用いると
  
または
  
   

 これらの式と
  
を比較すると
  
であり、さらに実部、虚部に分けて
  
  
と書けます。この2式はフーリエ変換の公式に当てはめると(ここも詳細は省略しますが)
  
  
のように逆の関係の2式が得られます。この2式からg(τ)を消去すると
  
  
の2式が得られます。ここでμは積分変数です。

この2式は、εr1の周波数ω依存性がわかっていれば、εr2(ω)が計算でき、逆にr2の周波数ω依存性が既知であれば、εr1(ω)が計算できることを示しています。この関係はクラマース-クロニヒ(Kramers-Kronig)の関係と呼ばれています。

 前回示したように、εr1と屈折率n、εr2と消衰係数kは一対一の関係で結ばれていますから、nとkは一方の周波数(波長)依存性がわかっていれば、他方は計算できることになります。

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