フランツ-ケルディッシュ効果

 電界によって光の吸収端が変化する効果として量子閉じ込めシュタルク効果より前から知られていたフランツ-ケルディッシュ効果を取り上げます。  この効果は1958年にドイツの物理学者フランツ(W.Franz)とロシア(当時はソビエト連邦)の物理学者ケルディッシュ(L.V.Keldysh)が互いに独立に見い出しました。量子閉じ込めシュタ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

量子エネルギーの電界による変化

 前回まで長々と摂動法の説明をした目的は量子閉じ込めシュタルク効果で量子準位がどのように変化するかを近似的に解析するためでした。今回は実際に計算をしてみます。  計算は量子井戸に電界がかかったとき、量子準位のエネルギーがどのように変化するかを求めるのが目的です。印加電界をFとすると、1次元のポテンシャルのエネルギーV(x)は  …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

摂動法(その3)

 つぎに2次の摂動を考えます。固有エネルギーを求めるには1次の場合と同様に前々回の(8)式から出発します。(8)式を変形して      (18) 1次の場合と同様に、左からψn(0)*をかけて積分しスカラー積を求めると、(18)式の右辺が求めるEn(2)になります。    ψn(1)に(10)式を代入して計算するとつぎのよ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

摂動法(その2)

 1次のψn(1)、これを1次の摂動項と呼びますが、これを求めるのが、この近似解法の最初の目的です。そこでまずこれをψn(0)で展開して表示します。     (10) (10)式を(7)式に代入すると    書き直して     (11) となります。  (11)式の左から共役関数のψk(0)*をかけて積分し、スカラー積…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

摂動法(その1)

 量子閉じ込めシュタルク効果は量子井戸の量子準位が電界印加によって変化することによって起こることを前回説明しました。準位の変化は量子力学的に検証しなければなりません。準位が電界の影響によってどう変化するかを計算するにはシュレディンガー方程式を解かなければなりませんが、電界によるポテンシャルエネルギーの変化を加味すると解析的には解けなくな…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

量子閉じ込めシュタルク効果

 前回紹介した電界吸収型光変調器では電界印加によって光吸収率が変化する層が使われています。この層は量子井戸層ですが、量子井戸は層に垂直方向に電界を印加することによって光吸収特性が変化する性質があります。この現象を引き起こしているのが、「量子閉じ込めシュタルク効果」と呼ばれる効果です。  量子井戸の光吸収は同じ半導体の厚い層やバルク…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

電界吸収型光変調素子

 前回、近年半導体を用いた実用的な光変調素子が登場したと言いましたが、これが今回取り上げる電界吸収型光変調素子です。  光の強度を変調する素子は入力電気信号にしたがって変動する光信号を出力する素子です。もっとも単純には電気信号によって入力される定常光を遮断できればよいので、原理的には機械的なシャッタをオンオフするのと同じです。しか…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

光変調素子

 つぎは光変調素子を取り上げてみます。この光変調素子は一般の半導体デバイスの教科書にはあまり取り上げられていません。その理由は後で触れることにして、まずは光変調素子の概要をみておきましょう。 1.光変調素子はなぜ必要か  光信号による通信は日常生活のなかにも広く使われています。テレビやエアコンはリモート・コントロール(略してリモ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

負性抵抗素子(まとめ)

 前回までで基本的な負性抵抗素子の紹介は一通り終わりましたので、全体的なまとめをしておきます。  通常の抵抗素子は印加する電圧を増加させるとそれに比例して流れる電流が増加します。これに対して負性抵抗素子では印加される電圧が増加すると電流が減少する特性をもちます。  ここで注意しなければならないのは負性抵抗素子はその電流I-電…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

その他の負性抵抗素子(その3:ユニジャンクショントランジスタ)

 もう一つ、負性抵抗素子を取り上げておきます。ユニジャンクショントランジスタがそれですが、ちょっと意表を衝いたような一風変わった素子です。  この素子を最初に誰が提案したのかはどうもはっきりしません。特許を探ってみると、米国のゼネラル・エレクトリック社が1953年に出願した特公昭30-2734号辺りが最初のようです。発明者はJ.M…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

その他の負性抵抗素子(その2:ガンダイオード)

 もう一つの動的負性抵抗素子としてガンダイオードが知られています。この素子はこれまで紹介してきた素子と違って、接合をもたない素子です。そのため、バルク効果素子という分類をされることもあります。バルク効果というのは言い換えれば半導体物性そのものということです。まずその基礎について考えます。  例えばGaAs結晶のエネルギーバンド構造…
トラックバック:0
コメント:4

続きを読むread more

その他の負性抵抗素子(その1、インパットダイオード)

 これまで代表的な負性抵抗素子としてトンネルダイオードとpnpn構造素子を紹介してきましたが、これ以外にも負性抵抗を生じる素子があります。上記2つに比べると少し特殊なものになりますが、以下3つほど紹介します。  今回はインパットダイオードです。インパット(IMPATT)は略号で、IMPact avalanche Transit T…
トラックバック:0
コメント:2

続きを読むread more

トライアック

 サイリスタの機能を利用すれば、以前にも説明したように、交流電圧をアノード-カソード間にかけてゲート電圧を調整すれば、正弦波波形の一部を切り取った波形の電流を得ることができます。これによって変圧器などを使わずに交流のまま消費電力を調整できることになります。 ところが通常のサイリスタはSCR(制御整流器)と呼ばれるように、一方向にし…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ゲートターンオフサイリスタ

 pnpn構造素子にはいろいろな変形があります。全体を網羅するのは難しく、またあまり意味もないと思いますので、主な素子を二三紹介することにします。  pnpn構造をもつサイリスタはゲート電圧を制御することにより、オフ状態からオン状態に切り換えることができます。ところが一旦オンになった素子をゲート電圧を変えてオフに戻すことは通常、で…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

pnpn構造素子の解析(その2)

 前回、サイリスタは2つのトランジスタの組み合わせで表せ、この2つのトランジスタの電流増幅率の和が1になるところでサイリスタが負性抵抗領域にスイッチングすると説明しました。これを表すアノード電流IAの式を再掲します。   ここでα1、α2はそれぞれアノード側およびカソード側トランジスタの電流増幅率、IGはゲート電流です。  通…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

pnpn構造素子の解析(その1)

 pnpn構造素子を理論的な面から少し見ておきたいと思います。pnpn構造はpnpトランジスタとnpnトランジスタを図Aのように接続した素子と見なすことができます。ショックレーはむしろこのようなトランジスタの接続からpnpn構造を発想したように思われます(特公昭29-005752参照)。  図Bは回路記号を使って表した図です。サイ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

サイリスタ

 前回、pnpnダイオードの動作について紹介しましたが、pnpn接合は4層構造ですから電極は両端だけでなく、中間のp層やn層に設けることもできます。今回はこの中間のp層またはn層のいずれかに電極を設けた3端子素子を取り上げます。  実はこの3端子素子は意外に重要な役割を持っており、現在もよく使われています。その辺りについて順に紹介…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

pnpnダイオード

 前回、ショックレイの特許の紹介を通してpnpn接合の特性を大雑把に説明しましたが、今回はもう少し詳しい説明を加えることにします。  前回と重複しますが、図Aのようなpnpn接合の外側のp1層とn1層に電極1と2を設けたpnpnダイオードを考えます。このダイオードに図のような回路をつないで電圧Vを変えたときの電流I-電圧V特性は前…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

pnpn接合素子

 負性抵抗素子のもう一つの代表的な例としてpnpn接合を用いた素子を取り上げます。pnpまたはnpn接合を用いたバイポーラトランジスタよりさらに一つ接合が多いこの素子には種々の構造が知られていて、先のトンネルダイオードより実使用という面ではずっと多用されています。  歴史的にみるとだれが最初に提案したかははっきりしませんが、トラン…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

トンネルダイオードの応用(その2)

 トンネルダイオードの応用の話をもう少し続けます。トンネルダイオードというよりもう少し広い意味の負性抵抗素子の応用です。 1. 増幅回路  図Aのような回路で信号源から入力した信号viを負荷抵抗RLの両端から信号voとして取り出すことを考えます。負荷抵抗RLに直列に負性抵抗-Rが接続されています。抵抗rsは電源の内部抵抗や配線の…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more