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zoom RSS 請求項の変遷を追う

<<   作成日時 : 2005/09/19 10:58   >>

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 もう一度、特許電子図書館の経過情報をみましょう。まだ開いていない[審判情報]をクリックしてみて下さい。下の方にスクロールすると、「審判記録」という欄がみえてきます。その1行目に「異議申立」とあります。実はこの異議申立という制度は2003年末までで廃止されてしまい、現在はありません。当時は、特許が登録になり、発行された公報を見た人が、これが特許になるのはおかしいと思った場合に、これが特許になるのはこういう理由で不当であるという異議を特許庁に対して申し立てることができました。審判という制度とは少し違うのですが、特許電子図書館では異議申立の経過の記録も「審判情報」というところに載せてあります。

 以前に特許公報でも見ましたが、この経過情報の「登録記事」にもこの特許が登録になったのは平成9年4月18日で、公報が発行されたのが7月9日であることが載っています。下に戻ってみると異議申立日は翌年の1月8日となっています。異議申立は公報が発行されてから6ヶ月以内に限ってできることになっていましたので、1月8日は前年の公報発行日から6ヶ月を経過する1日前の日です。なお、この異議申立というのはだれでもできるという制度ですから、会社などで行う場合に、相手にあの会社から難癖を付けられたなどと不興を買いたくない場合には、自社名を伏せて個人名で行うこともできました。この場合もそのようなケースと思われます。

 「審判記録」の下の方に行くと、「取消理由」というのが平成10年5月15日に発送されています。これは特許庁が異議を認めて、この特許の登録をこういう理由で取り消すということを特許権者に知らせる通知です。もちろん特許権者にはこれに反論する機会が与えられます。7月16日受付になっている意見書が特許権者の応答です。また同時に訂正書というのが提出されて、特許の一部の修正がなされています。そしてさらに下にいくと「異議決定」とあります。どういうふうに決定されたかは、一番下の行に「確定登録」とあることや、「審判記録」の上にある「異議申立の決定記事」の欄に「結論(YA 維持)」とあることからこの特許は結局取り消されずに維持されたということがわかります。

 それではこの特許が出願され審査され異議申立を受ける過程でどのように変化したかを見ていきましょう。まず出願時、あるいは審査を受ける前の請求項がどうであったかを見てみましょう。これは公開特許公報を見るのがよいでしょう。公開公報も最初に特許公報を検索したのと同じ方法で、検索することができます。特許電子図書館トップページのメニューから「特許・実用新案検索へ」のなかの「特許・実用新案公報DB」を選びます。今回は公開特許ですので、「文献種別」はAです。「文献番号」は特許公報に書かれていた公開番号、特願平4−164895を「H04-164895」のように半角で入力します。これで一番下にある「文献番号照会」のボタンをクリックして下さい。

 ページが変わって左側の欄に「1.特開平04−164895」と青色の文字が表示されるはずです。この表示されている番号をクリックすると公開特許公報が表示されます。前の特許公報とときと違って、いきなり見にくい公報が表示されます。前にも触れたことがあったと思いますが、特許の出願が電子化されたのは平成5年です。この特許は平成2年の出願ですから、まだ紙の書類を特許庁に提出していた時代です。この時代の明細書は電子データがありませんから、紙の公報からスキャナで読み取った画像データだけが特許電子図書館に収録されています。この時代の特許は全文検索などができませんが、画像データが収録されていることだけでも画期的なことと思います。

 「PDF表示」のボタンをクリックしてPDF形式で表示がさせると読みやすくなります。さてこの公開特許公報の7ページ目を見て下さい。図面があって、その右下部分に手続補正書が載っています。(自発)というのは出願人が自発的に補正したことを示すもので、特許庁からの補正命令などによるものでないことを表しています。公開公報の発行の準備に間に合う時期に補正を行うとこのように公開公報に掲載されます。明細書は出願時のまま修正せず、手続補正書をそのまま掲載するという形がとられています。審査の対象となるのは補正後のものですが、この補正自体が適正になされているかについても審査がなされます。

 前置きが長くなってしまったので、実際に請求項の変遷を追いかけるのは次回ということにします。

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