石くれと砂粒の世界

アクセスカウンタ

zoom RSS 白色発光ダイオード

<<   作成日時 : 2005/12/18 20:13   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0

画像 困難な課題であった青色を発光する発光ダイオードの開発に多くの研究者が取り組んだのは、やはり石ころを光らせてあらゆる色(フルカラー)を出したいという夢があったためと思います。クリスマスが近づいて1年中で一番、町中のイルミネーションが華やかになる時期ですが、やはり青色や深い緑色の発光ダイオードが使えるようになって、色合いに変化がつき美しさが増したように思います。

 このなかで意外に精彩を放っているのが、白色発光ダイオードではないかと思います。従来の豆電球や小さな放電管では白色といってもどうしても橙色がかっていましたが、発光ダイオードの白色は正に純白と言ってよいと思います。イルミネーションでは青と組み合わせるとアクセントとして綺麗に見えますが、純白色光源の大きな利用価値はもっと別のところにあります。

 皆さんが今これを読んでおられるディスプレイも最近はほとんどカラー液晶表示パネルになっていると思います。液晶は自分で光るわけではないので、明るい画面にするためには後から照明をしています。パソコンやテレビなどのかなり大きい画面では蛍光灯で照明しているはずです。蛍光灯はガラス管のなかに水銀蒸気を閉じこめこれを放電させて光を出していますが、ガラス管の内側に白色に発光する蛍光体を塗って白く発光させています。家庭用の照明に使う場合は純白色では冷たい感じになることからわざわざ少し橙色がかった発光をするように蛍光体を工夫しているものもあります。

 大きな画面ならやや細い管を使った蛍光灯で十分ですが、携帯電話や携帯用のゲーム機などはそれ自身も小さく、画面も小さいので普通の蛍光灯を使うのは無理です。従来は小さな容器のなかで放電をさせるような特別な蛍光灯を工夫するなどがなされていました。これに白色発光ダイオードを使うととても都合がよいことは容易に想像できますが、現にかなり使われているようになっています。

 ではこの実用されている白色発光ダイオードはどのようにして作られているのでしょうか。まず思いつくのは赤、緑、青の光の3原色を混合すれば白色光が得られるということでしょう。3原色の発光ダイオードが入手できるので、これは可能ですが、石を3つ並べる必要がありちょっとやっかいです。もっと簡単に実現する発明が特許になっていますので、それを見てみましょう。

 前々回に窒化物系半導体に関する特許を調べたときのリストにも入っていますが、特許第2927279号という、これも日亜化学社の特許があります。従来の技術をみると【0004】に赤、緑、青の3原色を混合して白色の発光を得る難しさが書かれています。個々の発光ダイオードには発光波長や輝度にばらつきがあります。3色または2色の組み合わせで白色を作るためにはそれぞれの発光ダイオードが同じ電流で同じ強さで光るわけではないので、個々に電流を調節してやらなければなりません。このような問題から複数の発光ダイオードを使って白色を作る方法は問題が多いことがわかります。

 ではどういう方法で問題を解決したかというと、そのつぎの【0005】に書かれています。基本的なアイデアはすでに特開平5−152609号などに示されているとされていますが、発光ダイオード(LED)が発光する光を蛍光体で色変換するというものです。具体的にはつぎの【0006】に書かれていますが、LEDチップを樹脂モールド部材中にLEDからの光を吸収し波長変換する蛍光体を含有させるとあります。発光ダイオードは図(この特許の図1です)のようにチップ102と外部につなぐためのリード線106、チップ上の電極とリード線をつなぐワイヤ103が主要な部分ですが、これらすべてを樹脂モールド104で覆って固めてしまった製品が多く使われています。

 この樹脂モールドのなかに蛍光体を入れ青色の発光を黄色に変え、青と黄色がその場で混じることによって白色の発光を得ているわけです。この蛍光体による波長変換は自由にできるわけではありません。エネルギーの高いものから低いものへ変えるという前提があります。前に説明したようにエネルギーと波長は逆比例の関係にありますから、波長の短い光を長い光に変換することはできます。つまり青色発光ダイオードが実用化されたので、青色の光を蛍光体に当てて黄色に変換することが可能になり、それで白色発光ダイオードが1個の石を使ってできるようになったというわけです。

 この特許は1997年に出願されていますが、上に書いたようにアイデアはすでに6年も前の1991年に出願された特開平5−152609号に示されています。今回は3原色を組み合わせて白色を作ることの困難さが書かれているので特許2927279号を取り上げましたが、次回は最初の特許に戻ってもう少し白色発光ダイオードを調べてみようと思います。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
白色発光ダイオード 石くれと砂粒の世界/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる