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zoom RSS 特許分類コードを使いこなす

<<   作成日時 : 2006/03/19 16:17   >>

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 これまで日本と外国の特許を無料で調べる方法を具体的に紹介してきました。特許公報の読み取り方についても説明してきました。そのなかで意識的に触れないできたことがあります。それが特許の分類コードの話です。調査を的外れなものにしないためにはこの特許分類コードを使いこなすことが重要です。以下、必要最小限のことだけ説明しましょう。

 特許は世界中で莫大な件数が毎日毎日出願されていくので、何らかの分類をして整理しておかないと同じ技術分野で先行してなされた発明にどんなものがあるのかを的確に調べることが難しくなってしまいます。そこで発明の技術分野によって特許をシステマティックに分類する方法が作り上げられてきました。そして国際的に共通に使えるように作られたのが国際特許分類(International Patent Classification、略してIPC)です。

 IPCは1975年に発効したストラスブール協定によって定められた国際的に通用する分類コードです。技術の進歩に伴って改訂が繰り返され、最近改訂された第8版が最新版となっています。今後はこのようなまとまった改訂を行わず、随時必要に応じて改訂するように方針転換が図られたようで、使い方も変わってくるかもしれませんが、ここでは基本的なことを例をあげて説明します。

 例えば以前に調べた白色発光ダイオードの特許、特開平10−93146号をもう一度開いてみます。フロントページの公開番号の下の横線のすぐ下、一番左端に「Int.CL6 」とあるのがIPCです。6は第6版であることを示しています。当時は2版前の第6版が使われていたということです。

 ところで余談ですが、「Int.CL6」の前に(51)という数字が書かれています。日本だけでなくアメリカ、ヨーロッパの公報にも、各書誌事項の項目にはすべてこのような数字がついています。今までこれにも触れませんでしたが、これは何を意味するのは疑問におもわれていた方もいらっしゃるかと思います。これは前回出てきたWIPOが書誌事項に共通の番号を割り当て、各国の公報にこれを付けるように勧めているものです。これを見れば、理解できない言語で書かれた公報でも書誌事項だけは判別できることになります。重要なところでは、出願番号が(21)、出願日が(22)、公開番号が(65)、特許番号が(11)です。これらの番号や日付はその意味さえわかれば、活用ができるので便利です。また出願人は(71)、特許権者は(73)、発明者は(72)です。そしてIPCは(51)となっているわけです。

 話を戻しますが、この特許に付与されたIPCは「H01L 33/00」です。複数のコードが付いていることもありますが、この特許では1つだけです。これが何を意味するかは、特許電子図書館で調べることができます。特許・実用新案検索のメニューの一番下の「パテントマップガイダンス」を開いて下さい。上の3つの検索ボックスが、コードがどんな技術分類を意味するのか調べるときに使われます。下の検索ボックスは逆にある技術のコードを知りたいときにキーワードから検索するためのものです。

 上の3番目が「IPC照会」です。ここに入力例にしたがってH01L33/00と半角、スペースなしで入力します。これは第6版でしたので、右側の版の選択は第6版にするのが正しいですが、版によって変化している部分はそんなに多くはありませんから、最新版で検索しても大体は大丈夫です。下の表示種別は一覧表示にして照会ボタンを押します。

 「光,例.赤外光,の放出に適合する少なくとも1つの電位障壁または表面障壁を有する半導体装置」という分かりにくい説明が出てきますが、要は半導体の接合を利用した発光装置という意味で、発光ダイオードがここに入ることになります。

 記号の意味を少し説明しておきましょう。一番頭のHはセクションと呼ばれるもっとも大きな分類を示し、A〜Hの8つがあります。半導体デバイスが関係するのはこのHの「電気」とGの「物理学」の2つでしょうか。その下の2桁の数字はクラスと呼ばれますが、これが何を意味するかはパテントマップガイダンスで調べられます。「H」だけ入れて照会ボタンを押してみて下さい。H01〜H05と飛んでH99の6つあることがわかります。H01は「基本的電子素子」ですから、半導体デバイスは大体ここに入りそうだということがわかります。

 つぎに「H01」をクリックしてみますと、その下の分類が表示されます。H01の下のアルファベット1文字は10以上に分類されていて、H01Lは「半導体装置」であることがわかります。さらに「H01L」をクリックすると21/00から51/00までわかれていることがわかります。先程の33/00もこのなかにあります。

 「33/00」をクリックしても同じことしか出てきませんが、「戻る」ボタンを押して、例えばその1つ前の「31/00」をクリックしてみて下さい。31/00は光エネルギーを電気エネルギーに変換するいわゆる受光素子に関する分類ですが、たくさんの記号のリストが表示されます。発光素子に当たるH01L33/00には細分類がなく、受光素子とでなぜこうも分類のされ方がちがうのかどうも理解に苦しみますが、それはさておきこの細分類の見方を説明しておきます。

 少し下に行って、31/04というところを見て下さい。「・変換装置として使用されるもの[2]」という説明がついています。そのすぐ下の31/042は「・・光電池のパネルまたは配列を含むもの,例.太陽電池[5]」となっています。この説明の前の「・」の数が重要です。IPCではこれが分類の階層を示しています。つまり・のない31/00がH01Lのなかの最上位分類で、・1個の31/04がその下、・2個の31/042がその下、さらに・3個、4個と細分されています。検索のとき、31/00を選べば、その下位の分類をすべて含んだ結果が出てきますが、・4個の31/055を選ぶとその下はもうないので、この分類に属するものだけが検索されることになるわけです。

 IPCは特許電子図書館の公報テキスト検索で使うことができ、Esp@ce-netでもAdvanced Searchで使うことができます。キーワードの検索は、用語が人によって違ったり、表記方法が違ったりすると漏れが起こる恐れがありますが、IPCだけで検索すればそういうことを防ぐことができます。しかしIPCの分類だけではそこに属する特許の件数が多すぎて困ることが多いと思います。そういうときは、キーワード(技術用語)と組み合わせて使えば、絞り込むことができます。

 次回は国内だけで使われているFIとFタームというコードについて簡単に説明しましょう。

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