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<<   作成日時 : 2006/09/24 22:56   >>

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 半導体メモリーの代表選手としてDRAMを紹介しましたが、同じような揮発性でランダムアクセスのメモリーとしてSRAM(Static Random Access Memory)というものがあります。今回はこれを簡単に紹介しましょう。

 DRAMはコンデンサに電荷を貯めることで情報を記憶しましたが、SRAMはトタンジスタのオン、オフそのもので情報を記憶します。MOSFETを使った基本的な回路を図Aに示します。「MOSFETを使った」と断ったのはこの回路はバイポーラトランジスタどころか真空管の時代からフリップフロップ回路という名で知られていたものです。ですから回路としては新しくなく、半導体メモリーとしてもDRAMよりもこちらの方が先に考えられていたものです。画像

 記憶はT1とT2というMOSFETのどちらか一方がオン、他方がオフになり、それを保つことによって行われます。回路の動作を説明しましょう。MOSFETはnチャンネルタイプとします。情報をこのメモリーに書き込むときは、ワード線Wの電圧を高くします。するとワード線にゲートが繋がっているMOSFET、T3とT4はともにオンになります。つまりこの二つのMOSFETはソース−ドレイン間に電流が流れるようになり、2本あるデータ線DとD ̄と反対側のトランジスタのゲートが繋がった状態になります。

 2本のDとD ̄は必ず逆極性になるようにしてあります。Dが高電位ならD ̄は低電位です。T3とT4がオンになると、T1とT2のゲートはデータ線に繋がりますから、どちらか一方がオン、他方がオフになります。ここでワード線の電圧を下げてT3、T4をオフにしたとします。T1とT2のゲートはデータ線からは切り離された状態になりますが、図を見ていただくと分かる通りそれぞれ他方のT2、T1のソースに繋がっています。例えばT1がオンのときT1のソースはほとんどグランド電位になり、T2のゲート電位は低くなりますから、T2はオフのまま保たれます。T2がオフならそのソースは高電位になりますから、それと繋がっているT1のゲートが高電位になり、オン状態が安定に保たれます。

 以上のように2つのトタンジスタT1とT2は一方がオンであると他方をオフにするようにはたらき、この状態は外部、すなわちデータ線と接続して強制的に変えない限り保たれます。この回路はフリップフロップと呼ばれ、2つの安定な状態が切り換えられる双安定回路の代表として古くから知られていました。また双安定状態をデジタル記憶に応用できることもよく知られていました。

 記憶されているデータを読み出すときもT3とT4をオンにして、T1とT2のソース電位(T2とT1のゲート電位も同じです)を読み取ればよいわけです。

 SRAMはDRAMに比べてあまり使われませんでした。それは、つぎのような理由によります。まず図Aの回路でもMOSFETを4個使っています。1ビットの記憶にDRAMは1個のMOSFETとコンデンサで済むのに、SRAMは4個必要ということで大容量化に不利であったことが挙げられます。また記憶を維持するために必ず1つのトランジスタをオンに保つため、電流を流しておかなければなりませんから、消費電力が大きくなってしまうという欠点もありました。

 しかし優れた点もあります。まず動作速度が速いことです。それからDRAMはリフレッシュが必要でしたが、SRAMは何もしなくても安定に記憶が保たれます。リフレッシュ動作のためには別に回路が必要ですから、トータルで考えると必要なトランジスタの数の差は縮まります。そこで消費電力を減らす改良をしてSRAMの利点を生かす開発が行われました。

 その一つが以前に説明したCMOSを採用することです。nチャンネルとpチャンネルのMOSFETを1組にして使うことで、消費電力は大幅に小さくなります。これを採用した回路を図Bに示しました。図AのT1をnチャンネルのTn1とpチャンネルのTp1の組に、T2をTn2とTp2に置き換えたものです。Tn1とTn2についてみると図Aと同じようにどちらか一方がオン、他方がオフになって情報を記憶します。このときpチャンネルのTp1とTp2は必ずnチャンネルのTn1とTn2とはオン、オフが逆になります。そのため、Tn1、Tn2のどちらがオンであっても電流は流れません。使用トランジスタは6個になりますが、消費電力は非常に小さくなります。

 SRAMを集積化した記憶素子を最初に世に出したのはやはりインテル社でした。DRAMと同時期の1970年代後半のことです。1980年代に入ってSRAMに初めてCMOSを採用したのは日本のメーカでした。最も早い時期の特許出願は日立社の特開昭56−68991(特許1475362号)辺りと思われます。消費電力が減ったことで、SRAMは腕時計用などに使われるようになりました。

 DRAMと同じようにいかに同じ大きさのチップにたくさんのトランジスタを集積するかについても技術開発が進められましたが、ここでは石としてのSRAMの話は省略することにします。次回からは不揮発性半導体メモリーの話に入ります。

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