石くれと砂粒の世界

アクセスカウンタ

zoom RSS 回折格子

<<   作成日時 : 2008/02/24 18:13   >>

面白い ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

 唐突に回折格子というタイトルが出てきましたが、これは光をオンオフしても単一縦モードを維持するような半導体レーザにとって重要な要素なのです。それでまずは回折格子(グレーティング、gratingとも言います)とはどういうものかについて説明することにします。

 まず回折格子の形ですが、代表的なものは基板上にたくさんの平行な溝が周期的に作られたものです。ただし溝の周期は光の波長レベルの非常に狭いものです。溝のような凹凸はなく、屈折率が高い、低いと周期的に変化しているものも同じ機能を持ちます。

 このようなものは身近にあります。CDやDVDのディスクのラベルがない面に太陽光や蛍光灯の光を当てると虹色に見えるのをご存じでしょう。CDやDVDの記録面には非常に狭い間隔で溝が作られています。つまり回折格子のようなものができているのです。

 これに光を当てたとき虹色に見えるということはどういうことでしょうか。当てた光は白色光ですからいろいろな波長成分が含まれているのですが、そのいろいろな波長成分が、その波長ごと、つまり色ごとに違う角度で反射されるということを意味しています。このことを光を分けるという意味で「分光」とか「分波」と言います。プリズムでも似た現象が起きますが、プリズムの場合は屈折角が波長によって違うために起こります。

 光の干渉という現象について以前に説明したことがあります(http://sunatsubu.at.webry.info/200708/article_1.html参照)。光を2つのスリットに通すとスクリーンに干渉縞ができるというものです。2つのスリットを通った光はそれぞれ違う経路を通ってスクリーン上の各点に到達しますが、その光路長の違いがちょうど光の波長の整数倍になるような点では波は強め合ってスクリーン上のその場所は明るくなります。しかし2つの光路長が波長の半分だけ違う点では波は打ち消し合ってスクリーン上のその場所は暗くなるという原理でした。画像

 回折格子で起こる現象もこれと似ています。図はDという周期で凹凸がある回折格子の断面を描いたものです。表面に横から入射光が入り、斜め上方に出射されているとします。このとき点Aから入射した光のうち、隣り合った凸部で反射された光線aとbを考えます。これらの出射光に垂直な面Pに達するまで光線aとbが走る距離を比較すると、周期Dと図中に示した距離dを足した距離だけbの方がaより長くなります。ここでDは作られた凹凸の周期ですから変化しませんが、dは反射光の方向によって変わります。

 このD+dが波長の整数倍になると干渉の場合と同じように光は強め合うので、dがそのような長さになる方向に光が強く出ることになります。もちろん波長が変われば、その整数倍も変わるので、光が出る方向も変わることになります。

 前回説明した光共振器の場合は、普通、共振器長が波長の何百倍にもなっていますから共振器長が僅かにずれるだけで、共振する波長が変化してしまいました。ところが半導体レーザに使う回折格子の場合は上にも書いた通り、周期Dは発光波長に近いような小さな値にしますからD+dはせいぜい波長の2、3倍程度にすることができます。例えばD+dが波長の2倍になるように作っておくと、波長の1倍や3倍の回折光ではdが大きく変わらなければなりません。これは出射角がどう変化しても不可能ということになります。

 以上から回折格子にある一定の波長の光を一定の角度から入射させると、出射する角度は決まってしまうことがわかります。
 
 図はわかりやすいように回折した光は斜め上方に出射するように描かれていますが、半導体レーザの反射鏡として回折格子を使う場合は基板面に沿って光が入ってきて、その方向に反射する条件を考えます。具体的な構造は次回に紹介しましょう。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
面白い

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
回折格子 石くれと砂粒の世界/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる