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<<   作成日時 : 2010/03/28 22:05   >>

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 今回はフォトカプラという電子部品を取り上げます。フォトカプラは日本語に訳すと光結合素子とでも言ったらよいでしょうか。やっかいなことにカプラとか光結合器とか呼ばれるものに、これから説明しようとするフォトカプラとは違う別のものがあります。これについては一通り説明が終わってからもう一度触れることにします。

 さてこのフォトカプラとはどのようなものかというと、テレビやエアコンのリモコンスイッチを連想するのがよいと思います。手元のリモコンスイッチのボタンを押すと、線がつながっていないテレビのスイッチが入ったり、チャンネルが変わったりするあれです。

 その原理は手元のリモコンスイッチには発光素子が付いていて光を出すことができます。普通は目に見えない赤外線が使われています。テレビやエアコン本体の方には受光素子が付いていて、リモコンスイッチからの光を受けます。光は押されたボタンがどれかによって違う順序でオンオフする光信号になっているので、本体側ではこの光信号を電気信号に変え、何が要求されたか判断します。言い換えれば光信号による通信が手元のリモコンスイッチと本体の間で行われているということになります。

 フォトカプラは同じような通信を非常に短い距離でやっています。発光素子と受光素子を一つのICパッケージのようなもののなかに入れてありますから、一つの電子部品です。なぜそのような部品が必要なのでしょうか。

 今ではあまり聞きませんが、フォトカプラは初め、光電リレーと呼ばれたことがあります。電磁リレーという部品をご存じでしょうか。これは一種のスイッチですが、人が直接押したり動かしたりしません。電磁石で鉄片を吸い付けたり離したりして動かし、この動きがスイッチに利用されています。なかを取り持っているのは磁場ですから、電磁石に電流を流す回路と鉄片でできたスイッチでオンオフされる電流が流れる回路の間のつながりをまったく無くすことができます。
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 それがなぜよいかというと、何十アンペアもの大きな電流が流れる例えば大きなモータなどをトランジスタなどを使った電子回路で直接オンオフするのは難しいですが、電磁石のコイルに流す電流のオンオフなら電子回路で簡単に行うことができるので、そういうときに便利です。

 フォトカプラ(光電リレー)も同じように発光素子をコントロールする電子回路と受光素子からの電流を処理する回路は光信号でつながれているだけで、電気回路のつながりがありません。電磁リレーのように機械的に動くスイッチではないので使い方は少し違いますが、2つの回路の電源電圧が違うような場合に便利です。電線を伝わってくるノイズを遮断できる利点もあります。

 図Aは実公昭38-16920号に掲載されているもっとも初期のフォトカプラの一例です。1960年にソニー社が出願した実用新案で、「光学的無接点リレー」という考案の名称が付いています。まだ発光ダイオードがない時代ですから光源2はフィラメント電球です。放電管であるネオン管を使った例もあります。受光素子3はCdSのフォトコンダクタです。この二つの素子を外からの光を遮る遮蔽体4のなかに向き合わせて固定してあります。

 受光側は原理的には光電管でもよいわけですが、それではあまり小さくできないので、やはり半導体受光素子が登場してはじめてフォトカプラが実用的な素子になったと言えると思います。

 発光ダイオード(LED)が製品化されれば、電球を置き換えるのは当然の成り行きでしょう。現在、ようやく照明用の白熱電球がLEDに置き換えられようとしていますが、これはLEDで強力な白色光を得るのに大変な苦労があったためです。フォトカプラでは至近距離で光が届けばよいので、どんなLEDでも使え、置き換えは容易です。

 最初は図Aと同じようにLEDと受光素子のそれぞれの製品を向き合わせて固定しただけのものからスタートしましたが、これはすぐに図B(実開昭54-37080号より)のようなものに進化しました。つまり金属のリード線6、16の上に発光素子1と受光素子11の半導体チップを直接接着し、これを向き合わせて樹脂製パッケージ27のなかに入れて固定したものです。

 さらには発光素子と受光素子を1チップに集積化して作ることも提案されています。また発光素子と受光素子を同じ基板上に固定し、光を基板の上方で発射させて受光素子に入射するような方式もあり、いろいろなタイプが工夫されています。

 さらによく似た素子でフォトインタラプタもあります。これはフォトカプラでは光はパッケージのなかから出てきませんが、フォトインタラプタは図C(実開昭52-122769号より)の断面図のように発光素子1と受光素子(フォトトランジスタ)2が向き合っている点は同じですが、パッケージ(ここではケース)4には窓8と9があって光を一旦パッケージの外に出している点が違います。

 どういう目的かというと、商店の入り口などにある自動ドア(とくに横にスライドするタイプ)を思い出していただくのがよいでしょう。ドアが閉まりかかったときに人が通るとドアは逆に開く方向に動き、人にぶつかるのを防ぎます。これはドアの枠の両側に発光素子と受光素子が取り付けられていて、人が通って光が遮られると、それによってドアを開けるように指令が出る仕組みになっています。

 インタラプトは英語で「遮る」という意味ですが、フォトインタラプタは光を遮るものが間に入ることによって動作する素子です。図Cのような電子部品の場合、自動ドアのように発光素子と受光素子の間に距離がありませんが、何に使うかというと、例えば自動販売機です。コインが通過して光を遮るとその数を数えることができます。

 フォトカプラ、フォトインタラプタは以上のように発光素子と受光素子を一体化した電子部品です。電気を光に変換しその光を再度電気に変換しているわけですが、利用されるのは光を電気に変換した信号ですから、一種の光電変換素子とみなされる場合が多いようです。

 なお、カプラとか光結合器というと光ファイバやその他の光導波路に光を結合する部品を示す場合があります。この場合、多くはフォトカプラとは言わず、単にカプラまたはオプティカル・カプラといい、日本語では光結合素子というより光結合器という場合が多いように思いますが微妙です。言葉だけで早合点しないように注意が必要です。

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