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zoom RSS ブリルアンゾーン(3次元)の求め方

<<   作成日時 : 2011/02/24 21:16   >>

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 原子が2次元空間に並んでいる場合をもう一度考えます。図Aに示すように原子がx、y軸に垂直な直線上に碁盤の目のように並んでいて、この直線の間隔周期がaであるとします。これらの原子が並ぶ線に対応した逆格子ベクトルを定義にしたがって求めることができます。x軸に垂直な直線上にある原子に対応する逆格子ベクトルは、図Bに示す青色のベクトルで表され、x軸方向に長さ2π/aのベクトルで代表されます。
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 このベクトルが描かれている図Bは現実の空間(実空間と言います)を示してはいません。実空間が逆格子の定義に従って変換された空間のことを逆格子空間と呼びます。逆格子ベクトルをこの逆格子空間内に描いたのが図Bです。

 つぎにx軸、y軸に45°斜め方向の直線(図Aに赤色で示す)について見ると、この直線上にも原子が規則的に並んでいます。線の間隔は上の場合より短くなってa/√2です。この線上に並ぶ原子の逆格子ベクトルは図Bに示すように斜め45°方向に長さ2π√2/aの赤色のベクトルで表されます。

 原子の並ぶ等間隔の直線はいろいろとることができ、それぞれに対して逆格子ベクトルが定義できます。図Bに示した点は上記の2種類の逆格子ベクトルと向きが違うだけのベクトルの終点(逆格子点といいます)を示しています。
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 この図Bの破線で囲んだ部分は前回のブリルアンゾーンとよく似ていることがわかります。ブリルアンゾーンの境界はπ/aを単位に表されていましたが、逆格子はその2倍の2π/aが単位になっています。

 前回のブリルアンゾーンは電子の波のブラッグ反射から考えました。ですからπ/aは波数kの値です。一方、逆格子は結晶中の原子の並び方だけで決まりますから、2π/aの値は波数の値とは言えません。本来両者はなんの関係もなさそうですが、実際には上のように、よく符合することが分かります。

 図Bに示すように原点から一番近い逆格子点は4点ありますが、原点とこれらの点を直線で結び、その線分の垂直二等分線を4本引くと、この4本の直線で囲まれる範囲が第1ブリルアンゾーンとなります。また原点と原点から2番目に近い4点の逆格子点を結ぶ線の垂直二等分線を引くと、第2ブリルアンゾーンが得られます。以下、同様に第3、第4のブリルアンゾーンも求めることができます。
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 結晶構造がわかれば逆格子点は求められますから、上記の方法によりブリルアンゾーンを容易に決められます。この方法をウィグナー・サイツの方法と呼びます。本書(*)には第10ブリルアンゾーンまで描いた複雑な図形が載っています。
 以上は2次元でしたが、直線を平面に拡張して同じように考えれば3次元のブリルアンゾーンを求めることができます。もっとも簡単な例として図Cのような格子定数aの単純立方格子を考えます。図D(1)に示すように、この結晶のxyz軸に垂直な面をそれぞれ(100)、(010)、(001)と表しますが、この面と平行で間隔がaの面上にも原子が並んでいます。これら一群の平面に対応する逆格子点の座標は(2π/a,0,0)、(0,2π/a,0)、(0,0,2π/a)となります。原点に逆格子ベクトルの始点を置くと、終点がこれらの点になります。この他にこれらと原点に関して対称な3点もありますので、等価な逆格子点は全部で図Eに示すように6点があります。
 ウィグナー・サイツの方法によれば、各逆格子ベクトルの中点を通り、ベクトルと垂直に交わる平面で囲まれる立体、すなわち図Eに示す立方体が単純立方格子の第1ブリルアンゾーンということになります。
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 2次元の場合と同様に3次元結晶の場合も原子が規則的に並ぶいろいろな面をとることができ、それらは等間隔で並びます。例えば図D(2)に示す(110)面は面間隔、周期は√2a/2です。この面は立方体を回転させると(101)、(011)面など6通りの等価な面ができます。(110)面の逆格子点の座標は(2√2π/a, 2√2π/a,0)となります。そのためこの方向の第1ブリルアンゾーンの境界は原点からの距離が√2π/a,となり、先程の距離とは異なる点が重要です。

 さらに図D(3)の(111)面は面間隔、周期は√3aです。この面の逆格子点の座標は(2√3π/a, 2√3π/a, 2√3π/a )となります。この方向の第1ブリルアンゾーンの境界は原点からの距離が√3π/a,となり、上の2つと異なります。

 このように3次元の場合、結晶の面方向によってブリルアンゾーンの境界までの距離が異なるのが特徴です。ということは方向によって異なる波数のところでエネルギーギャップが生じることになります。これについては次回に。

(*)植村泰忠、菊池誠著、「半導体の理論と応用(上)」、裳華房
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