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zoom RSS 電子のエネルギー分布(その2)

<<   作成日時 : 2011/05/01 21:21   >>

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 前回、電子のエネルギー分布として、フェルミ・ディラック統計の式
   (1)
を導き、その近似がボルツマン統計
   (2)
になることを説明しました。

 この式のなかでα、βは定数として置いたものですが、これらを定めないと実際に使うことができません。今回はこれをはっきりさせます。

 まずβについて考えます。全電子数Nは前々回に求めた状態密度D(E)と前回のNiの積を積分したものですから
   (3)
と書けます。ただし後の計算を巻単位するため、Niは(2)式を使いました。また定数部分をまとめてCとしています。このなかには(2)式のなかのexpαも含んでいます。

 また全エネルギーEは
   (4)
です。これは部分積分をすることによって

 
   
と書き直せます。

 これより電子1個の平均エネルギー<E>は、
 
    (5)
となります。

 ところでずっと前(http://sunatsubu.at.webry.info/201007/article_5.html参照)に粒子の平均運動エネルギーは
 
と表されることを示しました。ただしkBはボルツマン定数です。これよりβは
   (6)
であることがわかります。

 つぎにαについてですが、前回用いた電子を各エネルギーに振り分ける場合の数wについてはボルツマンの原理により、エントロピーSとの間につぎの関係があります。
 
この関係をはじめとして以下熱力学の知識をフルに活用しなければなりませんが、熱力学に関する説明は脇道が長くなってしまうので省略します。

前回のln(w)の式でci/Ni>>1とすると
 
となりますから,Sは
 
    (7)
となります。

 ここで系のギブスのエネルギーFを導入します。Fは
 
と表されます。Pは圧力、Vは体積ですが、この間の関係として状態方程式
 
を用います。すると(7)式により
 
が得られます。したがって
   (8)
が得られます。

 求めた(8)式のαと(6)式のβを用いると、(1)式のNiは
 
  
となります。なお、
 
と置きました。このEFはフェルミエネルギーと呼ばれます。また、
 
をフェルミ・ディラックの(または単にフェルミの)分布関数と言います。
画像
 f(E)のグラフを図示します。図中の赤で示した曲線がf(E)の一例です。f(E)は、有限の温度TではE<<EFのとき、f(E)=1であり、E>>EFのとき、f(E)=0となる関数です。T→0Kの極限ではE=EFのところで0から1にステップ状に変わる関数となります。

 また図中の青い点線はボルツマン分布関数
 
を示しています。Eが大きい場合にフェルミ分布に近づくのが分かります。

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