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zoom RSS 金属−絶縁体−半導体構造

<<   作成日時 : 2012/02/19 17:18   >>

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 ここまで半導体同士が接合した場合、金属と半導体が接触した場合を順に考えてきましたが、今回から金属と半導体の間に絶縁体が挟まった構造を取り上げます。金属−絶縁体−半導体構造はMOS構造といった方が通りが良いかも知れません。
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 "MOS"は"Metal-Oxide-Semiconductor"の略ですが、「絶縁体」は"Oxide"(酸化物)になっています。これは開発当初から現代に至るまで、実用的に使用可能な材料系がSiO2/Si系に限られているためです。今後、非酸化物の絶縁体が使用される場合があれば、"Insulator"を使って「MIS構造」と言うことになるでしょう(これまでもより一般的な呼び方を意識して「MIS構造」を使っている本や論文はあります)。

 MOS構造は言うまでもなく、MOSFETという重要なデバイスに使用されています。この電界効果トランジスタの理論の基礎となるのが、MOSダイオードの理論です。MOSダイオードは2つの電極間に絶縁膜が挟まっていますから、この絶縁膜が極端に薄くない限り、電極間に流れる電流は通常無視されます。つまりMOSダイオードはコンデンサ素子とみることができます。

 このコンデンサに電圧Vをかけたとき、片側 が半導体であるために、2枚の金属電極で誘電体を挟んだ普通のコンデンサとは違った特性が現れます。それについてまず検討します。

 まずV=0のとき、MOS構造について、半導体がn型の場合なら図Aのようなエネルギーバンド図が描けます。ここではもっとも単純に考えて金属と半導体の仕事関数が等しいとしています。絶縁体が間に入っても金属と半導体の接触の場合と同じように両者のフェルミエネルギーが一致するように接触します。
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 つぎに金属電極にプラスの電圧(V>0)をかけた場合はどうなるでしょうか。半導体側は負極になりますから、それに見合った量の電子が表面に生じる必要があります。そのためには図B(1)のように半導体のバンドは絶縁体との界面付近で下側に曲がった状態になります。この状態のように界面に多数キャリアが溜まる状態を蓄積状態と言います。

 逆に金属電極にマイナスの電圧(V<0)をかけた場合は、半導体側は正極になりますから、正電荷が表面に生じる必要があります。そのためには半導体表面に図B(2)のように空乏層ができ、電子を遠ざけます。電子を離したドナーが界面付近に残り、このイオン化したドナーが正電荷がその役目を果たします。半導体のバンドは絶縁体との界面付近で上側に曲がった状態になります。この状態を空乏状態と言います。

 このマイナス電圧が大きくなるとMOS構造に特有な現象が起こります。バンドの曲がりが大きくなると、図B(3)のように、やがて絶縁体との界面付近ではフェルミレベルはバンドギャッップの中央より下側に位置するようになります。これはこの半導体がn型であるにも拘わらず、界面付近ではp型になることを意味します。バンドの曲がり方からも想像できるように、絶縁体との界面には諸数キャリアの正孔が溜まり、これがコンデンサの正電荷の役割を果たします。n型半導体なのに表面付近だけp型になるこのような状態を反転状態と言います。この反転状態はFETへの応用においても非常に重要です。

 なお、以上は半導体がn型の場合について説明しましたが、p形の場合も電荷の極性と電圧の極性が反対に読み替えるだけです。

 これら各状態はpn接合などと同様にポアソン方程式を解くことにより、定量的に計算できます。それについては次回に。

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