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zoom RSS MOSFETによる増幅

<<   作成日時 : 2012/04/08 19:18   >>

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 MOSFETがバイポーラトランジスタと決定的に違う点は、端子の一つであるゲート電極に電流が流れないことです。そのためバイポーラトランジスタのような電流増幅率が定義できません。
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 そこでMOSFETではゲート電圧VGSの変化に対するドレイン電流IDの変化を増幅率に相当するパラメータとします。電流と電圧の比は抵抗率(レジスタンス)またはその逆数のコンダクタンスになりますが、一般に使われているのは次式で示される相互コンダクタンスgmです。
 
 飽和領域では
 
の関係がありますから、gm
 
と表され、gmはIDの1/2乗に比例します。

 gmを大きくするためには上式から(1)W≫Lとする、(2)μpの大きい材料を用いる、(3)C0を大きくする、の3つの手段があることが分かります。

 増幅回路としてはバイポーラトランジスタのエミッタ接地に対応するソース接地、コレクタ接地に対応するドレイン接地、ベース接地に対応するゲート接地の各回路があります。

 ソース接地回路は図Aのような回路です。これまでの説明で使ってきた回路に出力を取り出すための負荷抵抗RLを付けた回路です。

 MOSFETのID-VDS特性は前回示した図Bの青線のようになっています。数値は一例です。電源電圧VDD=-8V、負荷抵抗RL=1kΩとすると、IDとVDSの関係は赤線で示した負荷直線上に制限されます。通常は×で示したあたりに動作点がくるように、VGGを選びます。図ではVGG=-2.5V程度です。こうすればこの点を中心に入力信号viを増減させることができ、それが増幅されます。
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 この回路の電圧増幅率ASは出力電圧voと入力電圧viの比

で定義されますが、vo
 
と書けます。また、
 
ですから、AS
 
となり、gmの大きさが重要であることが分かります。
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 ドレイン接地回路は図Cのような回路です。この回路では
 
 
が成り立ちます。この2つの式から電圧増幅率AD
 
となります。これは1より小さいことになります。この回路の出力インピーダンスZoは入力電圧を0としたときの出力側からみた抵抗ですから
 
 
が成り立ちます。したがって
 
となります。この値はソース接地の出力インピーダンスがほとんど無限大であるのに対して非常に小さくなります。このため、この回路は増幅というよりインピーダンスを変換する目的で使われます。これはバイポーラの場合のコレクタ接地と同様で、エミッタフォロアに対応してソースフォロアと呼ばれます。

 MOSFETは上記のようなアナログ増幅よりもデジタル回路のスイッチング素子として多く使われています。このスイッチング回路の基本となるのがインバータです。インバータは入力がLowのとき出力がHigh、入力がHighのとき出力がLowになる回路で、ソース接地回路でよいことになります。

 図Cの例で、入力信号をVDS=-8V(Low)と0V(High)とすると、出力信号は0V(High)と-8V(Low)になります。アナログ増幅の場合は動作点をVDS=-4Vくらいに選んでその付近の小さな振幅の信号を入力信号とするのに対し、デジタル回路では電源電圧目一杯近い振幅の信号を入力する点が異なります。




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