石くれと砂粒の世界

アクセスカウンタ

zoom RSS リードフレーム

<<   作成日時 : 2013/12/01 19:50   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

 ダイボンドの話の角度を少し変えて、半導体チップを接着する相手方の部材の一つであるリードフレームを取り上げてみます。

 半導体チップを回路基板などに接着するのではなく、半導体チップの電極に外部と電気的につながるリード線を直接接着してしまう実装方法があります。リード自身で半導体チップを支えるので、リードにはやや厚さの厚いしっかりした材質が使われます。もちろん電気をよく流す良導体でなければならないので、材料としては銅とか銅の合金がよく使われ、厚みが0.5mm程度の板が原材料になります。
画像
 まず図Aのような砲弾型パッケージ1の発光ダイオードを取り上げます。このタイプのパッケージのもっとも普通の構造は前にも触れていますが、プラス用とマイナス用の2本リード2、3がパッケージの外に出ていて回路基板6の孔61に挿入し固定できるようになっています。リードの一方の上端(この場合2)にチップ4が載っています。この場合、チップ下面が電極になっていて、チップ上面の電極はリード3と細い金属線(ワイヤ)5で結ばれています。さらに砲弾型の透光性(透明)樹脂でチップとリードの回りを固めてあります。

 これをどう作るかですが、1本のリードの先にチップを接着するまではいいのですが、チップ上の電極ともう1本のリードを細い線でつなぐためには、2本のリードを近い距離にしっかり固定しておく必要があります。2本のリードが互いにふらふら動くようでは接続した細い線は切れてしまいます。この2本のリードの固定がいつもしっかりできているのがリードフレームの大きな特徴です。

 リードフレームを作るには先程述べたように厚さが0.5mmくらいの銅のような金属板を用意します。この程度の厚さの銅板はけっこうしっかりしていて、もちろん力を加えれば撓みますが、ふにゃふにゃと簡単に曲がることはありません。
画像

 まずこの金属板を加工してリードフレームを作ります。図B(a)ができあがったリードフレームの例です(特開2001-223311より。読みづらい文字を一部修正しています)。この例ではプラス、マイナスで一組のリード2、3が3組作られています。1枚のリードフレームから多数のパッケージを作った方が効率的なので、実際にはもっと多数の組のリードが1枚の中に作られます。このようなパターンは、このパターンと同じ形に作った金型を使って金属板を打ち抜く方法によって作ります。

 ここで注目しておきたいのはダイバーとよばれる横串のような部分101、102です。これによって2本1組のリードが正確な間隔で固定されています。ただしこのダイバーも金属板の一部ですから、このまま残してはプラス、マイナスの電極となる2本のリードが短絡した状態になってしまうので、後で切り離すことになります。

 つぎに(b)のようにチップ4をリード2の端の決められた場所に接着固定し、細いワイヤでリード3と結線します。これはワイヤボンドと呼ばれる方法で、後に触れる機会があると思います。つぎに(c)のようにリードと同じ間隔になるように凹部104をもつ樹脂型103を用意し、そのなかに融けた透光性樹脂を充填します。

 (d)のようにチップを固定したリードの先端部分を樹脂型のなかの透光性樹脂に漬けます。樹脂を硬化させたのち、(e)のように樹脂型からリードを引き抜くと砲弾型の封止樹脂ができます。最後にダイバーを切り離します。2本のリードは封止樹脂で先端部が固定されているので、ダイバーを切り離してもばらばらにはならず、一つ一つの個別の部品としての発光ダイオードパッケージ1が完成します。
画像
 表面実装型にもリードフレームを使ったタイプがあります。図Cは典型的なパッケージを上からみた図(平面図)です(特開2005-294736より)。一対のリードの一方1aにチップ2がダイホンドされています。チップ上面の電極ともう一方のリード1bをワイヤ12で接続しています。

 表面実装型には砲弾型にはない本体部9(ここではランプハウスと呼んでいます)を設けます。これはリードフレームを固定する基板の役割を果たします。チップを接着するリード部分が露出するように貫通孔が開くようにしますが、この孔を擂り鉢状のような斜面にし、光の反射面11にする場合があります。
画像

 リードフレームを使った表面実装型パッケージの作り方を図Dによって説明します。まずパターンを設計し、リードフレームを準備します。図Eがそのパターンの例です(特開2004-128330より)。これは4パッケージ分を示していますが、横に長くつながって多数のパッケージを並べて作れるようにできますし、縦方向にも並べることができます。。
画像

 この場合もチップ3が接着される対向した一対のリード部分がパッケージに使われる部分4ですが、これと平行するダイバーと両端をつなぐダイバーがあり、リードフレームを一体に固定する役割をしています。

 余談ですが、横方向をつなぐダイバーに等間隔に丸孔が開いています。こういう図はよく見かけますがこれは何でしょうか。打ち抜き加工をする機械が金属板に孔を打ち抜く際、1回で打ち抜ける単位があります。1回終わると金属板を平行移動させて次の打ち抜きを行います。このとき金属板を送るのに、この丸孔と機械の方の突起とが噛み合って送り動作がされるのです。

 図D(a)では一対のリード31a、31bの断面を示しています。これに本体33を設けます。この本体は樹脂で作られることが多いですが、大体は成形法で作ります。(b)に示すように金型32にリードを挟むように一緒に入れ、空洞部分40に樹脂を充填して固めれば、樹脂のなかにリードが埋め込ませた状態34になります。リードなど金物も一緒に型に入れて成形する方法をインサート成形と呼びます。

 本体の付いたリードフレームができたら、(c)のように決められた場所にチップ36を接着し、(d)のように電極の配線をします。さらに(e)のように少なくともチップ部分が覆われるように透光性樹脂38を被せます。

 最後に本体の外に出たリードを基板等に取り付けやすいように曲げて(フォーミングという)完成です。

 なお、以上の他にリードフレームを切り離し工程が必要です。これは通常、(e)のフォーミングの前で、そこまでは全部が繋がった状態で工程を進めます。

 リードフレームははじめはつながった一枚の板になるようなパターンを作り、後に切り離して個別のパッケージを作ります。このようなパターンの設計は種々変化が考えられる点が面白いところです。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
リードフレーム 石くれと砂粒の世界/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる