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zoom RSS チップの封止技術(方法)

<<   作成日時 : 2014/01/19 17:20   >>

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 発光ダイオードのチップを封止するには主として透明な樹脂が使われますが、どのような方法でチップを覆うのか、その方法についてまとめてみます。主な方法はつぎの3種類です。

1.ポッティング法
 もっとも簡易な方法で、液状の樹脂を滴下する方法です。

 「ポッティング(potting)」はやや耳慣れない語です。日本語で「樹脂盛り」ともいうようですが、これもあまり聞きません。ポットというとお茶などを注ぐ容器や魔法瓶をイメージしますが、辞書で"pot"を引くとビンとか壺という日本語が出てきて、日本語の「ポット」と少し意味にずれがあるようです。動詞の"pot"はこのようなビンや壺に中身を入れるという意味です。ポッティングはただ垂らすというより、容器を満たすという意味のようです。

 図A(特開2000-315823より)に示すように発光ダイオード2をリードピン5の上に固定した後(実際には電気配線も必要)、(a)のように液状の樹脂8をノズル100から滴下すると、樹脂液8は(b)のように金属のピンの上で表面張力により盛り上がるので、この性質を利用すればもっとも簡易にチップを封止できます。
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 ただし、樹脂液の粘度が適度に調整されていないと、うまくいきません。とくに粘度が低すぎると液が流れてしまってチップを覆うことができなかったり、周囲の基板表面が樹脂液で汚れたりします。このため、ポッティングの場合はチップの周りに何らかの樹脂を堰き止める手段を設けた方がよいと言えます。通常はチップをくぼんだ部分のなかに配置し、くぼみを樹脂液で満たす方法がとられます。

 図B(特開2011-192698より)はその一例で、リードフレーム31に設けられた複数のパッケージ11の凹部内にチップ13を固定し、この凹部に樹脂液を順に滴下します。一定量の液を滴下する装置32をディスペンサといい、空気圧でノズル33から樹脂を一定量ずつ押し出し、凹部を樹脂15で満たすようにします。
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 しかしそれでもこの方法の場合、封止樹脂の表面の形状は注いだ樹脂の量によって決まり、多すぎると上に凸の形になり、少ないと凹んだ形になってしまいます。樹脂の滴下量は変動するので、パッケージ後の特性をいつも一定に保つのは難いという問題があります。このためこの特許では樹脂の表面にパターンを投影し、その形状を撮影して樹脂量の多い少ないを判定する方法が提案されています。

2.塗布法
 透明樹脂を塗りつけてチップを覆う方法です。決められた範囲だけに塗布する技術は印刷技術と共通で、印刷法と呼ばれる場合もほぼ同様な方法と考えてよいと思われます。

 図C(特開2003-46140より)に示すように基板1に固定したチップ2の周りに枠5を作り、過剰な量の樹脂液6をこの上に載せ、スキージ(squeegee)8と呼ばれるヘラで表面の余分な樹脂を擦り取るという方法がよく採られます。
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 なお、この例では樹脂を硬化した後、枠を除去しています。これはつぎの成形法に属すると考える方がよいでしょう。塗布法では枠をパッケージの一部として残します。図のように多数のチップを同時に封止した場合、そのままアレイとして使う場合もあり、枠の部分を切断してチップ一つ一つのパッケージにする場合もあります。

 塗布の場合も樹脂の粘度に注意する必要があります。柔らかすぎると塗布前に樹脂が流れてしまい、硬すぎると塗布したときにチップのワイヤ接続を壊してしまう恐れもあります。

 塗布(印刷)法はポッティングより多数のチップを一気に覆うことができる特徴があります。

3.成形法
 砲弾型パッケージの透明樹脂は以前に紹介した通り、成形法で作られます。リードフレームに固定し、ワイヤーボンドを終えたチップを樹脂液を入れた砲弾型の容器(型)の中に挿入します。樹脂を加熱硬化した後、型から引き抜く(離型する)と、砲弾型の封止樹脂が完成します。

 成形法は基板やリードフレームに固定したチップをそのまま成形型のなかに入れ、チップ周囲の樹脂を型のなかで固める方法です。樹脂だけを成形するのではなく、チップとそれを搭載した部材も型のなかに「挿入」して成形するので、「インサート成形」と呼ぶことがあります。

 表面実装型パッケージに対しては、簡単には塗布の場合と同じようにチップの周りに成形型となる枠を作り、中に樹脂液を入れます。上記の例のようにこれだけでもよいですが、上から蓋を押し付ける(圧力をかける)場合もあります。この方法は押圧法とか圧縮成形法などと呼ばれます。その後、加熱して樹脂を固めた後、枠や蓋を取り除きます(離型)。

 さらにトランスファー成形法という方法もよく使われます。この方法は図D(特開2006-324623より)に示すような装置を使って行われます。基板3上にチップ5をダイボンドし、ワイヤ6で電気配線します。この基板には反射枠4も設けられています。この基板を上下に分かれる型21のなかに入れます、別容器に入れてある樹脂液21を型に設けた通孔を通して型内に押し出します。その後、樹脂を加熱硬化し、離型すれば封止されたパッケージが完成します。
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 なお、樹脂の成形法では射出成形法という方法がよく使われています。この方法は樹脂液に圧力をかけて型内で勢いよく注入します。そのため型内のワイヤによる配線が壊れてしまう恐れがあり、チップの封止には向きません。

 成形法の特徴は封止樹脂の外形が型の形通りにきちんと決まることです。封止樹脂にレンズ機能をもたせる場合などには有利な方法です。ただし成形用の金型を用意しなければならず、装置としてはやや大がかりになります。

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