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zoom RSS 発光ダイオードの駆動回路(その3:定電流回路のつづき)

<<   作成日時 : 2014/04/13 20:47   >>

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 前回の最後に抵抗を定電圧ダイオードに置き換えた定電流回路を紹介しました。今回はさらにその変形版を紹介しましょう。

 ダイオードの代わりにトランジスタを使います。バイポーラトランジスタのベース−エミッタ間はpn接合ですから、この接合に順方向に電流を流している場合、接合にかかる電圧(順方向電圧VBE)は電流によらずほぼ一定です。シリコントランジスタなら約0.6Vです。これを定電圧ダイオードの代わりに使うことができます。

 コレクタ側は使わないので、図Aのようにベース−コレクタ間は短絡してしまうと、トランジスタはダイオードと同じになってしまいます。トランジスタのコレクタからエミッタへ流れる電流(コレクタ電流)IC
 
となります。
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このトランジスタのベースを図Bのようにもう一つのトランジスタのベースに接続します。右側のトランジスタTr2のコレクタ電流IC2はベース−エミッタ間電圧VBE2によって決まり次式で表されます。
 
ここでIS2はTr2のコレクタ飽和電流と呼ばれる電流で、コレクタ−エミッタ間の電圧が変わってもそれ以上電流が増えなくなる電流値です。

 さて今左側のトランジスタTr1のコレクタにIC1の電流を流すとします。右側のトランジスタTr2は左側のトランジスタTr1と同じものであるとすると、
 
 
ですから、
 
となります。

トランジスタが同じものですからVBE1とVBE2の温度変化も同じになり、例え温度が変動しても、また電源電圧が変動してもこの関係は成り立ちます。Tr1に流した電流がいつもTr2にも流れるので、電流が鏡に映っているような関係になることから、この回路をカレントミラー回路と呼んでいます。
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 このカレントミラー回路を発光ダイオードの駆動回路に使った例が図Cです(特開2003-249686より)。図Bはnpnトランジスタを使って示しましたが、図Cの方はpnpトランジスタを使っているので、極性が逆になっています。

 以上の例だけですと、それほどの利点は感じられないかもしれませんが、Tr2側のトランジスタはベースを共通にして複数接続することもできます。基準となる電流IC1をTr1側に流すだけで、その複製とも言える電流が複数のトランジスタに流れます。各トランジスタのコレクタに発光ダイオードを接続すれば、それぞれが同じ電流で動作することになります。

その例を図Dに示します(特開2003-100472より)。トランジスタ21がTr1に相当し、複数のTr2に相当するトランジスタ44がベースを共通に接続して並べられています。このトランジスタ44のコレクタにそれぞれ2個の発光ダイオード42、43が抵抗41と直列に接続されています。すべての発光ダイオードにトランジスタ21のコレクタ電流と等しい電流が流れることになります。
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 同じ特性のトランジスタをたくさん使うのは集積回路(IC)の得意とするところです。1チップにすべてのトランジスタを集積してしまえば、各トランジスタの温度も精度よく一致するので、電流は周囲温度の変化にたいして影響を受けにくくなります。

 さらにTr1とTr2の接合面積をたとえば1:2にすると、IC2をIC1の2倍にすることもできます。これも集積回路なら簡単にできることです。このような接合面積の違うトランジスタを図E(図Cと同じ文献より)のQ4のエミッタのように複数の矢印で示すことがあります。
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 以上、カレントミラー回路の基本的なことのみを説明しました。実際にはいろいろな問題点もあり、それを解決するための改良もいろいろなされていますが、ここでは省略します。またバイポーラトランジスタだけでなくMOSトランジスタでカレントミラー回路を構成することもできます。

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