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zoom RSS 分子軌道法(その3)

<<   作成日時 : 2014/11/16 16:48   >>

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 前回、分子軌道法の基本的な考え方を水素原子2個が結合した水素分子をモデルにして説明しました。この考え方は原子数、電子数のもっと多い分子にも適用できそうに思われます。なぜなら電子をn個もつ分子の分子軌道関数を

と表すのが分子軌道法の基本的考え方だからです。ここで1〜nの数字はその分子がもつn個の分子軌道のそれぞれを表します。係数C1〜Cnは1〜n番目の分子軌道につく重み係数で、これが決定する対象となります。
  

 計算の手順は前回と同じで、エネルギーは次式で表されますから
  
各係数で偏微分すれば前回同様の行列式が得られます。ただし係数の数が多いと行列式の要素の数が多くなりますので、これを解くのは前回のように簡単にはいかなくなります。

 しかしコンピュータを用いた数値計算によれば、解を求めることができます。分子軌道法の考え方は早くから提案されていましたが、実際の分子に広く適用されるようになるにはコンピュータの発展を待つ必要があったのはこのためです。

 ここでこれ以上具体的な話を進めるには分子軌道計算を行えるソフトウェアが必要です。これを自由に使えるのは専門の研究機関に限られるのですが、一般の人でも実際の有機分子の分子軌道計算を体験する方法があります。それは平山令明著「実践 分子化学入門」という書籍です。講談社のブルーバックスの一冊です。この本にはCD-ROMが付属していて、この中にWinMOPACという分子軌道法計算ソフトと30種類以上の分子のデータが収録されています。もちろん機能が制限されていますから、研究用に使えるわけではありませんが、分子軌道計算を体験することは十分できます。

 この本は2002年初版のため、プログラムはWindows XP用に作られています。現在のWindows ‘7や8で動作するかが心配なところです。実際にWindows 7で試してみましたが、インストールしただけですとエラーが出て動作しませんでした。その場合、管理者権限での使用に切り換えると解決するようです。アイコンを右クリックして出てくるメニューからプロパティを開くと設定できます。

 ところで本書には「分子軌道法で化学反応が見える」という副題がついています。分子軌道法の使用目的の多くはこのように化学反応の起こり方を調べることにあります。このため多くの量子化学の本は化学反応を中心に書かれています。しかしここで分子軌道法に立ち入っているのは有機ELの発光メカニズムを調べるためです。本書も発光については触れていませんが、第6章が「分子の色を知る」となっていて分子の光吸収について論じていますので、この章が参考になります。

 ここで例に取り上げられているのはエチレン分子です。有機ELに使われる分子とは遠いですが、まずはエチレンについて考えてみることにします。


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