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zoom RSS フルカラー有機EL表示装置

<<   作成日時 : 2015/03/09 21:26   >>

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 有機ELの主要な用途には照明と並んでフルカラーのディスプレイがあります。フルカラーの平面ディスプレイと言えば、現状では液晶ディスプレイが主流となっていますが、LED方式も台頭してきています。これらについては過去にも触れていますが、ここでもう一度、有機ELを含めて比較整理してみたいと思います。

 フルカラーの平面ディスプレイすべてに共通する原理は、赤(R)、緑(G)、青(B)各色それぞれの小さな画素を3色が均等になるように表示画面上に二次元配列し、画面上の望みの位置で望みの色が発色するように各画素の点灯、非点灯をコントロールするというものです。
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 例えば、赤色を表示したい部分では赤色(R)の画素だけを点灯するようにし、他の色の画素は非点灯とします。またある部分で白色を表示したいならば、その部分ではRGB全色の画素を点灯するようにします。

 平面表示装置の基本的な構造は、画素の点灯、非点灯の切り換え方法とRGB3原色の実現方法によってつぎのように分けられます。

1. 画素の点灯・非点灯の切り換え方法
1−1.シャッタ方式
 第1の方法はシャッタを使う方法です。光源自体はオンオフせず、画素ごとに設けたシャッタを開閉して点灯、非点灯を切り換えます。
1−2.光源制御方式
第2の方法は光源自体をオンオフする方式です。LED、有機ELでは基本的にこの方法が使われます。

2.RGB3原色の実現方法
2−1.カラーフィルタ方式
 白色光源を用い、これに3原色のカラーフィルタアレイを組み合わせる方法です。カラーフィルタは色のついたガラスと考えればよく、白色光を透過させるとRGB各色の光が得られます。カラーフィルタの一つ一つが画素に対応します。
2−2.3原色発光素子方式
RGB3原色それぞれの発光素子を使う方式です。LED、有機ELともRGB各色の素子を利用することができます。素子一つ一つが画素に対応します。

 液晶ディスプレイは1−1と2−1の組み合わせです。液晶シャッタは印加電圧のオンオフで光の透過、不透過を切り換えられます。白色光源はバックライトと呼ばれ、平面光源です。従来は蛍光灯でしたが、LEDや有機ELも使われるようになっています。

 LEDディスプレイの場合は1−2と2−2の組み合わせが使われます。有機ELの場合も同じ組み合わせが可能です。

 有機ELでは1−2と2−1の組み合わせも考えられています。この場合、白色発光有機EL素子をすべての画素に個別に設け、各有機EL素子にカラーフィルタを組み合わせます。LEDでもこの組み合わせは原理的に可能ですが、実際には採用されていないようです。

 画素の点灯・非点灯を切り換えるための回路は1−1、1−2の方式とも共通です。これについてはLEDのマトリックス駆動として過去に取り上げています。ここでは有機ELへの適用例(国際公開2002/044189)を用いて簡単に復習しておきます。

 図Aは 有機EL素子が2次元マトリックス状に並べられた平面表示パネルの模式図です。各画素には画素を横方向に接続するゲート走査線C1,C2、・・・と縦方向に接続する情報信号線と呼ばれる配線が設けられています。ゲート走査線と情報信号線の交点には表示用画素が配置されています。
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 走査信号ドライバーはゲート走査線を順次選択し図B上部に示すような電圧を印加します。これに同期して情報信号ドライバーから図Bの一番下のような画像信号が情報信号線に印加されます。ゲート走査線の走査が全画面(フレームということがあります)を一巡りすると一画面が表示されることになります。
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 図Cは各画素のゲート走査線と情報信号線の交点に設けられるスイッチング回路です。今ゲート走査線に信号が印加されると、薄膜トランジスタTFT1がONとなり、情報信号線から表示信号が供給され、もう一つの薄膜トランジスタTFT2のゲートに印加されます。各画素に配置された有機EL素子には、TFT2のゲート電位に応じて、 電流供給線より電流が供給されます。TFT2のゲート電位はコンデンサCaddによって保持されるので、有機EL素子にはゲート走査が1フレームを走査する期間、電流供給線からの電流が流れ続けることができます。これにより1フレーム期間中、発光を維持することができます。
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 図Dは有機EL素子とTFTを同じ基板上に集積した構造の断面を示しています。ガラス基板上に多結晶シリコン(poly−Si)層が設けられ、MOSトランジスタのチャネル、ドレイン、ソース領域と両電極が形成されています。この上にゲート絶縁膜とゲート電極が設けられ、さらにこの画素電極上に有機発光層と陰極である金属電極を設けられています。アクティブマトリックス方式では図のような構造を画素ごとに設けます。

 ところで有機ELで2−2の方式を用いる場合、発光色の異なる素子を画素ごとに並べる必要があります。これを具体的にどのように作製するかについて触れておきます。もっともまともに作製するには、つぎのような手順になります。真空蒸着法などにより色ごとに違う分子層を形成しますが、まず1色目の第1層を成膜する前に基板の必要位置に開口を設けたマスクを着けます。第1層を形成した後、不要部分の分子膜とマスクを除去し、2色目の第2層用のマスクを設け、その上に第2層を形成します。第3層も同様にします。

 この方法は工程数が多く、煩雑です。これより簡単な方法としてインクジェットを用いた印刷による方法が開発されています。インクジェットプリンタはカラー印刷に広く使われていますが、この技術を転用してRGB3色発光用の有機分子を所定のパターンで基板上に印刷(塗布)できます。
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 図E(特開2002-334782より)のようにITO基板301上にまず画素となる部分をインクの流れ止めの樹脂製バンク(土手)305を設けます。バンク内に正孔輸送層6を形成し、その上に発光層を形成します。図は赤色発光層7、緑色発光層8がすでに形成された状態を示し、インクジェットヘッド310から青色発光層材料インク309を吐出しているところを示しています。プリンタの要領でヘッドを動かしながら3色のインクを塗布することにより、簡単に発光層をマトリックス状に形成できます。

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